Rio.T(りおてぃー)のブログ

ギターと音楽と日常。

「ボクがギターをはじめるまで」の話 1




――あなたが小さい頃に聴いていた音楽はなに?

 ボクが小さい頃に聴いていた音楽、といえば次の二つだった。
「テレビから流れてくる音楽」と「車で出かける際にカーオーディオで流す音楽」。

 車で移動中、運転中の父が訊いてくる。
「音楽でも聴くか?」
「うん」
 助手席のボクはCDをケースから出し、キラキラとした盤面をしばし見つめてから、カーオーディオに入れる。

 車の中にあるのは「ザ・ベンチャーズ」のCD、1枚だけだった。

 選 択 肢 な ど な い 。

「音楽でも聴くか?」じゃねぇええええ!!
 ベンチャーズしかないんだから! 「ベンチャーズ、聴くか?」って訊けよ!!

 説明しよう! 
ザ・ベンチャーズ」とは1960年頃から活動しているギター・インストゥルメンタル・バンドである。

 後に父の車に「童謡」のCDが2枚追加されるが、それでも3分の1の確率でベンチャーズだ。
 当時のボクにとって「音楽を聴く」とは、「『ベンチャーズ』か『童謡』を聴く」という意味だった。

 テケテケ最高!!
 ああ^~エレキギターサウンド痺れるんじゃ^~

 とにかく、幼少期のボクは、エレキギターの音を聴いて育ったのである。

 そんなわけで、ボクがギターに興味を持ったきっかけは「ベンチャーズ」だ(と思っている)。
 もしかしたら、テレビでよく流れていた「B'z」の影響もあったのかもしれない。
 いずれにせよ、いつしか「エレキギターを弾いてみたい」と考えるようになったのは確かだ。





 ――ある年齢になった頃、エレキギターを買うべくお小遣いを貯め始めた。
 新品のエレキギターは高価だったので、中古に狙いを定めて。

 毎週のように、父にリサイクルショップに連れて行ってもらっていた。
 どのお店に行っても、中古とはいえ、安くはなかった。

 もっと、お小遣いを貯めなくてはならなかった。
 ……しかし、お小遣いはなかなか貯まらなかった。

 なぜなら! 毎週! 週刊少年ジャンプを買っていたからである!!
 週刊少年ジャンプはいいぞ。毎週200円台で楽しめる……。コスパ最高……。
 お気に入りのマンガはコミックスも買わなきゃ……! 

 結局、ギター資金は5000円も貯まらなかったのである。





 お小遣いは貯まらないまま、半年くらい経った頃。
 秋と呼ぶにはあまりにも冬な季節。肌寒い朝

「いっけな~い! 遅刻遅刻!」

 朝食の納豆を「ねるねるねるね」を作るように丁寧に混ぜていたのが原因だ。\テーレッテレー/
 学生にとって、遅刻は“罪-GUILTY-”である。
 ボクは家を飛び出していた。

 焦るボクは、図らずもウサイン・ボルトのランニングフォームで学校に向かっていた。

 しかしすぐに、
「――ッ!!」
 ボクの足は、止まった。

「相棒! 遅刻するぜ!」もう一人のボクが呼びかけてくる。(中二病
 だが、無視した。

 無視、せざるを得なかった。

 通い飽きた通学路だ。見慣れた道だ。いつもの風景だ。
 なのに――

 視線は、釘付けになっている。

 口が、半開きになっていた。

――ドクンッ! 心臓が、跳ねた。

 目の前に“現れた”のだ。

「なん……だと……?」(SE:ドドドドド)

 通学路にある、ゴミ捨て場。

――そこに、





 “クラシックギター”がいた――。





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